第50期サスティナビリティレポート

目次

トップメッセージ


2015年9月の国連サミットにおいて、「持続可能な開発目標(SDGs)」 として 17 のゴールと、それぞれの課題ごとに設定された 169 のターゲット(達成基準)が掲げられました。
これらは、豊かさを追求しながら地球環境を守り、「誰一人取り残さない」人間らしい暮らしを実現する社会を 2030 年までに達成することを目標としています。
現在、世界全体で SDGs の達成に向けた進捗がみられるのはわずか 16%で、残りの 84%は進捗が限定的、もしくは後退していると言われています。
このような状況下、企業には SDGs に対する取り組みを加速させ、ステークホルダーと共働して推進することが求められています。

そのような中、私たちホーメックスは、企業理念である「快適環境創造企業」を掲げ、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組んできました。
SDGs の取り組みは、一般的にはマテリアリティ(重要課題)を特定して重点的に対応する形が多いですが、一方で SDGs の目標はすべてが相互に関連し、不可分であると認識し、包括的に取り組んでいます。
ホーメックスの事業は、人々の暮らしや街づくりといった「環境」に直接関わることが多く、SDGs に貢献できる分野が多岐にわたります。
たとえば、廃棄物関連事業では、缶・ビン・ペットボトルといった資源のリサイクルを行い、
ビルメンテナンス事業では建物のエネルギー効率化を推進するなど、地に足をつけて地道ながらも着実な活動を続けてきました。

2023 年 10 月には、会社創立から 50 期目の節目を迎えました。この記念すべき年に、地元豊田市の「豊田市 SDGs 認証制度」において最上位のゴールド認証を受けることができました。
また、愛知県の「愛知環境賞」において優秀賞を受賞することもできました。
これらの認証や表彰は、企業の活動を「見える化」し、「行動」や「パートナーシップ」を促進する、非常に意義のある先進的な制度であると考えています。

これをスタートとして、今後もステークホルダーの皆さまの声に耳を傾けながら取り組みを推進していきます。
特に、未来を担う若者や子どもの声を聞き、彼らと同じ目線に立って考えることを心がけます。
そして、若手を積極的に登用し、未来に向けて持続可能な社会を実現していきたいと考えています。

代表取締役社長 

ステークホルダーとの共働に関する考え方


 ホーメックスは、企業理念に基づきステークホルダー(お客様、お取引先、地域社会、社員と家族、行政機関、金融機関等)から信頼される企業を目指します。
 そのため、常にステークホルダーの期待や関心を把握し、積極的に情報開示に努めることが重要と考え、対話を通じて得られた「声」を、
 企業活動に反映反映させることにも努めてまいります。


サスティナビリティの考え方、推進体制


 ホーメックスのサスティナビリティの考え方は、経営理念、ブランドメッセージ、VISION2030、そして中期ビジョン「SSプラン」として明示しています。
 私たちは、「快適環境創造企業」を企業理念として、一人ひとりがブランドメッセージ「快適以上をつくれ。」を使命と考えています。当社の事業活動を通じて、人を笑顔にして幸せにする。そして街を明るく、明日をもっと輝かせることを目指しています。
 経営ビジョンでは、SDGsの目標と同じ2030年に向けて、VISION 2030「社会の課題に立ち向かう環境サービスのリーディングカンパニー」を掲げており、環境問題など様々な社会問題を解決すべく、ホーメックスが業界や地域を牽引し、なくてはならない企業として支持される姿を描いています。
 また、中期経営計画では、中期ビジョン「SSプラン」を掲げており、「Social Value ソーシャルバリューの創造」「Sustainable サスティナブルな社会づくりへの貢献」の2つを柱としています。ソーシャルバリューの創造はこれらのビジョンで、地球・社会・そこに暮らす人の姿や、自分たちのありたい姿を思い描き、そこからバックキャストすることで、現在なすべきことや、中期的に取組むべきことを計画書に明記しています。
 サービス業を中心とする当社では、社員一人ひとりの行動が、サービス品質そのものといえます。そこで、社訓や行動指針で、社員一人ひとりに実践してほしい行動を定め、共有しています。これらの当たり前のことを徹底的に行う企業風土の醸成から取り組み、SDGsの目標達成を目指します。
 そして、当社はステークホルダーの期待に応え、「快適環境創造企業」を実現するために、3つのマテリアリティ(重要課題)「人に」「街に」「明日に」を特定しています。これらは、持続的な発展に向けた経営計画を策定する上で、基盤となるもので、この考えをもとに当社は、社会の課題解決と、持続的な発展に貢献していきます。

 サスティナビリティの推進強化のため、2011年に設置した「CSR推進室」を、2020年より「SDGs委員会」と改め、より一層 事業活動を通じて、持続可能な社会を追求していく姿勢を明確にしました。





<サスティナビリティ経営 推進体制>



マテリアリティの特定、SDGsとの関連、目標設定


 ホーメックスは、ステークホルダーの期待に応えていくため、取組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定しました。
 また、SDGsの17目標とホーメックスのマテリアリティを関連付けて、事業・活動を推進しており、当社が与える負の影響・リスクを低減する一方、事業を通じて社会の課題を解決し、持続可能な社会づくりを目指します。
 マテリアリティは、SDGsに関する国際的な枠組み・各種レポートから社会の課題を抽出し、ステークホルダーであるお客様への訪問や、お取引先との意見交換会、SDGs委員会における社員への意見聴取をもとに特定しました。

 
マテリアリティ
(重要課題)
社会の課題
(SDGs目標)
ホーメックスの取組み
【事業】   【取組み】
目標
(49~50期)

「人に」
人を笑顔にする
価値を提供する社員を育てる
全社:あいち女性輝きカンパニー更新
アクア事業:水処理施設の見学(高専、小学校)
全社:軽装勤務の通年化
全社:くらし応援特別手当支給
全社:アクティブシニア制度 定年廃止
全社:バースデーパーティ(∞会)
全社:HOMEX AWARD
全社:三大制度発表会
廃棄物関連事業:パッカー車投入体験・リサイクル講座
全社:危機管理トレーニング(緊急記者会見)
■雇用拡大1860人体制
■採用 新卒 15名 中途 15名 ■教育 一人あたり 50時間 5万円 ■定着率95%
■テレワーク推進 在宅勤務率30%
■休日 現場と本社の格差是正
(21日→10日)
■労働生産性向上
(残業平均20H以下)
■人事制度に連動した階層別研修100%
■人材の多様化
(女性、シニア、障がい者、外国人)
■危機管理 緊急対策本部立上げトレーニング

「街に」
街を明るくする
快適で豊かな暮らしを支える
施設運営事業:廃棄前野菜 こども食堂支援
(名古屋市農業センター)
施設運営事業:移動型おむつ交換・授乳カー感謝状
(岡崎市) ビルメンテナンス事業:AI清掃ロボット
(コモ・スクエア)
施設運営事業:ガチャきらり 展示会出展
(障がい者支援)
インフラ整備事業:能登半島地震 復興支援作業
(管路調査)
全社:パソコンリサイクル委託
(障がい者支援)
全社:消火器から消火スティックへの変更
全社:動物版フードドライブ
(団体 Terminal連携)
全社:協力会社意見交換会
■事故・労災・再発クレーム ゼロ化
■DX推進 生産性向上
(無人化・自動化・人手不足解消)
■BCP計画の策定 グループ連携
■文化の継承 地域の歴史や特色発信 ■管路・道路の長寿命化 ■建物のエネルギー効率化 ■研究開発 防災サービス ■研究開発 終活サービス

「明日に」
未来を輝かせる
環境と調和する社会をつくる
ビルメンテナンス事業:エコチューニング事業者認定
施設運営事業:再エネ100%切替
(施設運営 水処理施設)
アクア事業:高専 汚泥の堆肥化研究支援
(汚泥サンプル提供)
廃棄物関連事業:矢並RCペットボトルリサイクル
(車シート)
廃棄物関連事業:シュレッダー 可燃からリサイクルへの変更
廃棄物関連事業:ECOぽ 古紙リサイクルステーション
廃棄物関連事業:矢並RC 省エネ装置 電力低減
全社:GHG排出量の算定・削減計画
全社:豊田市ユニフォームリサイクル実証実験
全社:トヨタの森フェスティバル 連携イベント
全社:AICHI SDGs EXPO 2024出展
全社:SDGsフェスティバルin丸ノ内(豊田市コーナー内)出展
全社:とよたSDGsフェスタinT-FACE豊田市コーナー応援
全社:名古屋SDGs推進プラットフォーム登録
全社:SDGsパートナー(愛知、名古屋、豊田、みよし)
全社:愛知環境賞 優秀賞
全社:豊田市 SDGs認証制度 ゴールド認証
■GHG排出量 30%削減(2030年)
■太陽光発電 450,000kWH/年 ■ボトルtoボトル
 クローズドリサイクルの推進
■廃棄物セミナー コンサルティングのメニュー提供
■研究開発 リサイクル・ゴミ減量支援
■研究開発 生ゴミイクル推進
■研究愛発 海外水事業の展開
■51~53期中期経営計画書


ホーメックスの取組

  再エネ100%切替(施設運営水処理施設)

ホーメックスが管理する指定管理施設や水処理施設及び本社の使用電力を順次実質再生可能エネルギー100%に切り替えており、CO2排出量を削減し、カーボンニュートラルの実現を目指しています。


  ECOぽ古紙リサイクルステーション

「ECOぽ」とは「エコなポスト」の略称で一般のお客様が段ボールや新聞、雑誌を投入できる古紙回収ボックスです。回収された古紙は再資源化して紙として生まれ 変わり、CO2の発 生や森林伐採などの環境負荷低減に つながっています。


  GHG排出量の算定・削減計画

当社の事業活動によるGHG排出量を算定し、排出量の多い項目や、効果の高そうな項目を優先して対策を検討し、削減計画を策定しています。


 豊田市ユニフォームリサイクル実証実験

ホーメックスでは、環境省が公募した「令和5年度使用済衣類回収のシステム 構築に関するモデル実証事業」として豊田市の行った使用済み事業用ユニフォームの回収実証実験に協力しました。


 廃棄前野菜 こども食堂支援(名古屋市農業センター)

名古屋市農業センターdelaふぁーむで生産している野菜のうち、不揃い野菜や廃棄前野菜など、品質に問題はないが販売する商品としては扱えない野菜を、近隣の子ども食堂に寄付しています。


 Al清掃ロボット(コモ・スクエア)

このロボット掃除機は3Dカメラと超音波センターを駆使し自動で清掃してくれるロボットです。現場の高齢化、人材不足の解消と品質の向上を目指し導入をしました。


 ガチャきらり 展示会出展(障がい者支援)

SDGs AICHI EXPO2024 においてHOMEXもSDGsへの取り組みを掲示し、ガチャきらりなど多くの方に活動を知っていただく機会とすることができました。


 能登半島地震復興支援作業(管路調査)

能登半島地震によって被害を受けた下 水道施設の復旧支援のため、ホーメックスでは、維持管理 部門から人員と 機材の派遣を決め、災害復旧支援 を行いました。


 名古屋SDGs推進プラットフォーム登録

名古屋市の名古屋市SDGs推進プラットフォームにおいて、HOMEXも会員となりました。


 豊田市SDGs認証制度ゴールド認証

豊田市内事業者のSDGsに関する取組内容を評価して認証する「豊田市SDGs認証制度」の第1回申請において、最上位となる「ゴールド」で認証されました。


 愛知環境賞優秀賞

2005年の創設から20回目となる愛知環境賞。愛知環境賞選考委員会による審査の結果ホーメックスが「優秀賞」を受賞 しました。


 動物版フードドライブ(団体Terminal連携)

廃棄されてしまうペットフード等を収 集し、非営利の動物愛護団体等へ提供 することにより、動物と人が幸せに共生する社会の実現に寄与していきます。



CSR方針

 私たちホーメックス株式会社は、あらゆる事業活動を通じて社会・自然との調和のとれた発展に向けて積極的に努力します。
私たちは、国内外の法令並びにその精神を順守し、誠実な事業活動を行います。
私たちは、「お客様・ホーメイト・取引先・地域社会」などの事業活動に関わる全ての関係者との、オープンでフェアなコミュニケーションを通じて、健全な関係の維持・発展に努めます。

<お客様>
●私たちは、お客様の様々な期待に応えるべく、品質向上と技術革新に徹し、魅力ある商品・サービスを提供します。
●私たちは、国内外の法令ならびにその精神を順守し、お客様をはじめ事業活動に関わる全ての人々の個人情報保護の徹底に努めます。
<取引先>
●私たちは、取引先を尊重し、互いに研鑽に努め、オープンでフェアな取引関係を継続し、共存共栄の実現に取り組みます。
●私たちは、取引先の決定にあたっては、公正かつその総合力を判断して行います
<ホーメイト(従業員)>
●私たちは、「ホーメイトと家族の幸せこそ企業の成長・発展の力の源」との考え方のもと、ホーメイトを尊重し成長を支援します。
●私たちは、全ホーメイトに対し公正な労働条件を提供し、安全かつ健康的な労働環境を維持・向上するよう努めます。
●私たちは、ホーメイトとの誠実な対話と協議を通じて労使の相互信頼を築き、全ホーメイト・会社一体となって、繁栄に向け共に努力します。
●私たちは、経営トップの率先垂範のもと善悪をわきまえて、正しい行動ができる企業文化を育て、それを実践していきます。
<環境・地域社会>
●私たちは、あらゆる事業活動において自然環境に配慮し、環境との調和ある成長を目指します。
●私たちは、地域に根ざした企業活動を通じて、社会の発展に寄与します。
●私たちは、行政機関と誠実かつ公正な関係を維持します。
●私たちは、事業活動を行うあらゆる地域において、地域の成長と豊かな社会づくりを目指し、社会貢献活動を積極的に推進します。

品質方針

お客様のよきパートナーとして満足度の高い品質・サービスを提供し、お客様とご利用者の皆様から信頼を得るべく活動に取り組みます。

Ⅰ、お客様からのクレームゼロを目指します。
Ⅱ、一人ひとりが品質・サービスの維持・向上に努めます。
Ⅲ、安全・安心のサービスを提供します。
Ⅳ、お客様の満足向上とサービス向上の為、継続的改善に努めます。

環境方針

本社・矢並リサイクルセンターの活動、また製品やサービスに関する環境影響を一人ひとりが認識して、自覚と責任を持ち、「地球と地域にやさしいホーメックス」を目指して、積極的かつ継続的に取り組みます。

Ⅰ、環境及び事業に関する法規や規程等を順守します。
 1、循環型社会を目指して、廃棄物のリサイクルに挑戦します。
 2、車両や設備の運転時のエネルギー消費を少なくする工夫や意識の高揚を図り、CO2の発生量の低減に努力します。
 3、環境負荷が低く、地球にやさしい用品を積極的に採用して、地球環境の汚染防止に努めます。
Ⅱ、環境影響を低減するために、目的・目標を定め、継続的に改善活動を推進すると共に汚染予防を図ります。
Ⅲ、地域社会とのコミュニケーションを大切にすると共に、環境交流をはじめ、地域における環境保護の活動に、積極的に努力します。



編集方針

 本報告はホーメックス株式会社の環境・社会への取組みに関する企業活動をステークホルダー(お客様、取引先、地域社会、従業員)に分かりやすくお伝えすることを念頭に作成しました。
対象期間:50期(2023年10月~2024年9月)
レポート発行日:2025年2月19日
次回発行予定:2026年3月1日